日本児童英語教育学会

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会長挨拶

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日本児童英語教育学会会長

アレン玉井光江(青山学院大学)

 

 グローバリゼーションが進み、国家の枠を超え異なる人々が暮らす多文化共生社会において、外国語によるコミュニケーション能力を獲得することは極めて重要なことです。中でも世界の共通言語(lingua franca)である英語を獲得する必要性は高まり、世界中で英語教育の低年齢化が進んでいます。日本でも公立小学校中学年へは外国語活動、および高学年へは外国語科が導入され、小学校での外国語教育が本格的に始まりました。さらに文部科学省は小・中・高等学校で一貫した外国語教育を実施するため「グローバル化に対応した英語教育改革」を推し進めています。
 前世紀においても早期外国語教育は重要な教育課題の1つであり、1962年ユネスコの研究会で審議されました。当時すでに外国語教育を推進する気運は世界的な高まりを見せ、「早期外国語教育は、ぜいたくな教育などでなく、教育上の選択の問題でもない。国によっては緊急な教育課題であり、ある条件下では、全ての国・地域で早期外国語教育の必要性が生ずる可能性がある。」との認識が示されました。60年余りたった今、この言葉が日本の早期英語教育の状態を表しています。つまり小学校での英語教育は決して「ぜいたくな教育」でなく、「緊急の教育課題」なのです。この度教育課程に外国語教育を配置することになり、外国語学習は一部の子どもたちだけでなく全ての子どもたちに与えられる教育経験となりました。言語を理解することで他集団への理解、共感を育てることができ、他言語を話す人々に対して偏見を持つことなく、彼らへの理解を深めることができます。さらに異なる言語や文化に触れることで自分の言語や文化をより深く知る機会を得ることになります。
 さて、地球規模の課題を抱えるこの不確実な時代を生きる子どもたちは、どのような資質・能力を身につければよいのでしょうか。子どもたちが自分や他の人たちの幸福を求め、より善き世界の構築を願い、行動を起こせる人に成長するためにはどのような力が必要なのでしょう。世界の多くの教育者は異口同音にagency (主体性)を育てることが大切だと唱えます。自分で目標を設定し、自らを振り返り、自分の行動に責任を持ち、必要であれば変革できる力。自らの意志で動き、決断を下し、自分自身を形成していく力。そのような資質・能力を育てることが必要だといわれています。英語教育においても学習者主体の教育が必要であるといわれ、指導や評価において様々な試みが行われています。新しい学びの姿を求め、私たちは思考錯誤を続けることになるでしょう。
 本学会は1980年の設立以来、一貫して児童・幼児を対象とする英語教育の意義を考察し、実証し、適切で効果的な指導内容、指導方法を究明するため、研究者と実践者が協力し合える場を育んできました。これからも当学会に課せられた社会的な役割を深く認識し、児童・幼児を対象とした理想の外国語教育を実現するため挑戦し続けたいと思います。開かれた学会としてさらに発展するために、JASTECは皆様方の参加をお待ちしています。

 

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