日本児童英語教育学会

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会長挨拶

小泉仁

日本児童英語教育学会会長

小泉 仁(東京家政大学)

 

 グローバル化が進む現代社会において、外国語教育の重要性が一段と高まり、世界の多くの国々で外国語教育の改革・改善が進んでいます。日本国内でも多様な外国語学習の機会の提供、外国語開始年齢の早期化、クラスサイズの縮小、小・中・高・大の一貫した到達目標等の設定など、あらゆる改革が提案されています。
 これまで、外国語教育改革はわが国の海外競争力を高める視点から論じられることが多かったのですが、政府の「グローバル人材育成推進会議」の「審議まとめ」(2012)には、「社会全体のシステムをグローバル化時代に相応しいものに構築し直し、個人の人生設計を柔軟かつ多様に支援する複線型の社会システムへと変革しなければならない。そしてその第一歩であり眼目とも言えるのが国家戦略の一環としての『グローバル人材』の育成にほかならない。」と述べているように、今やグローバル化は、自らの所属する社会全体のシステムの再構築や個人の内面の変革を伴うものとして論じられるようになっています。
 次期学習指導要領では、小学校教科として「外国語(英語)」が導入されますが、その意義をもう一度掘り下げて考えてみたいと思います。私たちは、小学校から英語を学び始める意義を、国際経済競争を勝ち抜く人材育成ためといった道具的動機付けで捉えるよりも、多様な文化や価値観との共存のためとして捉えることを、共有の理念としたいと考えます。子どもたちには外国語学習を通して、「競争」ではなく「共存・共生」を体験的に理解し、そして将来それを実践できるグローバル人材へと育って行ってほしいのです。
 もちろん、小学校は基礎教育の場です。そこに外国語が入るならば、それは、さまざまな他の科目、例えば国語、算数、音楽、図画工作などと同様、初等教育の一環として、児童の知的成長や情緒発達のために相応しい内容を持つからでなくてはなりません。教科化をきっかけとして、小学校教育に相応しい英語科の指導目標、到達目標、指導内容、指導法等をさらに精査してゆく必要があります。また、中学校以降の英語科教育との一貫性を保つことも大きな課題になります。今後の取り組みこそが大切なのだと、私たちは考えます。
 本学会は1980年の設立以来、一貫して小学校や就学前の児童・幼児を対象とする英語教育の意義を考察し、実証し、適切で効果的な指導内容、指導方法を究明するため、研究者と実践者が協力し合える場を提供して来ました。また、今回の小学校英語教育の導入など、教育行政当局の動向に歩調を合わせた議論を重ね、制度改革への提言をして来ました。私たちは、次世代を担う子どもたちにとって好ましい指導内容、指導者の確保等の環境整備に対する提言はもちろん、児童英語教育のオピニオンリーダーとしての役割を果たすべく、この分野に興味を持たれる方々の議論の場となることを望んでいます。開かれた学会としてさらに発展するために、JASTECは皆様方の参加をお待ちしています。

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